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文献詳細

雑誌文献

精神医学6巻5号

1964年05月発行

研究と報告

外勤作業治療をとおして見た入院患者の家族の態度—長期入院患者の退院に対する家族の態度

著者: 柴原堯1 稲本雄二郎1 井口芳雄1

所属機関: 1京都府立洛南病院

ページ範囲:P.375 - P.380

文献概要

 社会復帰を前提として行なわれるべき病院外作業療法を行ない病像が安定した長期入院患者の退院,家庭復帰に対して一般に家族の態度が大きな障壁として存在することを述べ,長期入院患者の社会復帰にさいして生ずるいろいろの家庭内人間関係の困難性を統計および症例によつて説明した。
 長期入院患者の家庭復帰には,精神疾患者に対する家族の恐怖,不安のほかにこれを妨げるものとして,家庭内の経済秩序の変動が存在しており,これらは患者の入院期間が長ければ長いほど,患者の家庭復帰に対する強大な障壁として出現してくるものであつて,このような場合に,精神疾患の治療は入院時から社会復帰を目標とするという考えを保持し,これを一貫するためには病院一家族間の,患者の治療を中心とした密接で有機的な結合が必要であり,その基礎の上にいろいろな治療(ことに社会復帰療法)が行なわれなければならないと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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