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研究と報告
アレビアチンによる小脳失調の3例
著者: 安陪光正1
所属機関: 1国立福岡中央病院神経精神科
ページ範囲:P.381 - P.384
文献購入ページに移動すべて薬物は,その適量を与え,最小の副作用で最大の効果を発揮することが望ましい。
ことにてんかんのごとく,薬物の長期あるいは一生内服を要するような疾患では,つねにその副作用を考慮し,十分の注意がはらわれなければならない。なかでも抗けいれん剤アレビアチンは,副作用として歯肉増殖,多毛,運動失調,複視などの中毒症状をきたすことがよく知られており,日常われわれもその一過性発現を見ることが少なくない。これら薬物の副作用も一過性ですめばよいが,それが脳神経系に非可逆的変化をきたし,器質的病変を遺すにいたると,問題が大きい。われわれは日常診療の間,人の作る精神的あるいは身体的疾患,すなわち医原性あるいはman made diseasesともいうべき疾患に注目してきたが,今回ここに,アレビアチンによると考えられる小脳失調の3例を経験したので報告する。
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