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研究と報告
分裂病と同胞順位—発現率および病像との関係
著者: 小川信男1 越智浩二郎2 山本和郎3
所属機関: 1泉保養院 2東京大学教育心理学科 3国立精神衛生研究所
ページ範囲:P.587 - P.593
文献購入ページに移動本研究は日本の古い封建的閉鎖的農漁村を主とする地域における分裂病者の家族関係の研究の一部として,とくに同胞順位と発現率および病像との関連について推計学的検定をこころみたものである。少数例であるけれども,ある傾向が認められたのでここに報告する。
分裂病において家族関係の問題が病因的な意味をもつとすれば(Lidzその他),特定の文化において,とくにわが国の古い家族制度の背景のもとに,何か特色が見い出されないだろうか,さしあたつて同胞順位と分裂病との間になんらか有意な関連が見い出されないだろうか,というのが私たちのねらいであつた。そしてそれがpathoplastischな意味のものばかりでなく,pathogenetischな意味をもつと解されるとすれば,それは家族問題の病因論的役割のひとつの傍証であるのみならず,そこから分裂病本態論に入り込むひとつの有力な手がかりを提供すると思う。
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