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文献詳細

雑誌文献

精神医学6巻9号

1964年09月発行

文献概要

研究と報告

PB-806(Benperidol)の臨床使用経験

著者: 金子仁郎1 武貞昌志1 市丸精一1

所属機関: 1大阪大学医学部精神神経科教室

ページ範囲:P.690 - P.697

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I.はじめに
 最近までの向精神薬の主流はphenothiazine誘導体reserpineが占めていたが,1957年P. A. J. Janssen1)がHaloperidolを合成し,1958年Divry,BobonおよびCollard2)によつてその臨床効果が検討されて以来,化学的に関連のある数百の塩基性butyrophenoneが合成され,その化学構造と生物学的作用との相関の理論的研究とともに向精神薬としての実用性が注目をあびるにいたつた。butyrophenone系の代表的な化合物は第1図に示す12種であるが,これらは薬理学的にはchlorpromazineに類似し臨床作用はthioperazine,perphenazineやfluphenazineに近似することが知られた。
 Butyrophenone系の一連の薬物の向精神作用はJ. Delay3),H. Flegel, J. I. Murray Lanson4)らによつて検討されその臨床的応用がしだいに確立されつつあるが,われわれもBenperidol,Haloperi-dol,Triperidolを精神分裂病を主とする各種の精神疾患に使用しその向精神作用の存在を確かめてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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