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文献詳細

雑誌文献

精神医学6巻9号

1964年09月発行

研究と報告

精神分裂病に対するbutyrophenone系薬物R2498(Triperidol)の使用経験

著者: 矢幅義男1 奥山保男1 迎昶2

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室 2岩手県立南光病院

ページ範囲:P.699 - P.706

文献概要

I.はじめに
 最近の向精神薬物の発展,開発はまことにめざましく,臨床的に使用されているものも非常に多い。1959年,Labhardtは混乱したこれらの薬物を整理し,Neuroleptica,Tranquilizer,Thymoleptica,Psychotonicaに分けた。しかし,この分類にあてはめるにはいくぶん疑問をいだかせる薬物が見られ,これに対してNeurodyslepticaともいうべき概念がDivryら1)によつて提唱されている。これはNeuroleptica with neurodyslepticeffectというようなものであり,かれらは「この作用は精神分裂病の自閉の殻を打ち破る」と述べこれまで単に副作用といわれてきた作用のなかに治療的意味を考えたものである。この概念に含まれるべき薬物としてThioproperazine,Trifluoperazineなどがあげられる。
 ここに報告するR2498(Triperidol)は第1図に示す構造をもち,化学的にはbutyrophenone系に属するものである。本系統のR1625(Haloperidol)は,すでに1958年に臨床実験が行なわれている2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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