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特集 Research Domain Criteria(RDoC)プロジェクトの目指す新たな精神医学診断・評価システム
Research Domain Criteria(RDoC)プロジェクトの概念
著者: 橋本亮太12 山森英長2 安田由華2 藤本美智子2 工藤紀子1 畦地裕統1 池田学2
所属機関: 1大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科附属子どものこころの分子統御機構研究センター 2大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
ページ範囲:P.9 - P.16
文献購入ページに移動Research Domain Criteria(RDoC;研究領域基準)は,National Institute of Mental Health(NIMH)のThomas R. Insel博士が提唱したものである6)。RDoCプロジェクト誕生の背景には,今まで主に用いられている精神疾患の診断体系であるDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM;精神疾患の診断・統計マニュアル)とInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD;疾病及び関連保健問題の国際統計分類)に基づく研究が,臨床神経科学や遺伝学における新たな進歩による知見を取り込むことに失敗しているという問題提起があった7)。
そこでRDoCプロジェクトは,精神疾患は複雑な遺伝・環境要因と発達の段階によって理解される脳の神経回路の異常によって起こるという仮説に基づいて,精神疾患を診断カテゴリーにとらわれることなく,生物学的でありかつ横断的な視点が取り入れられたディメンジョナルな評価基準による枠組み(フレームワーク)にて構築した。
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