文献詳細
特集 こころの発達の問題に関する“古典”をふりかえる
文献概要
はじめに
本稿では,限局性学習症と,発達性協調運動症を扱う。この2つは教育の場で問題になることから,教育学の古典に詳しく記載がありそうだが,意外にそうでもない。教育学の古典では,むしろ現在の注意欠如多動症(ADHD)に関連する問題行動を呈する児童について詳述されていることが多い。ADHDは教師や集団の負担になるものの,限局性学習症と発達性協調運動症は個人間に相互の影響を及ぼすものではなく,個人内の問題であることから,あまり重視されていなかったかと思われる。とは言え,この分野は医学だけでなく,教育学でも対象にされるものであることから,その両方の側面から,紹介をしていきたいと思う。
本稿では,限局性学習症と,発達性協調運動症を扱う。この2つは教育の場で問題になることから,教育学の古典に詳しく記載がありそうだが,意外にそうでもない。教育学の古典では,むしろ現在の注意欠如多動症(ADHD)に関連する問題行動を呈する児童について詳述されていることが多い。ADHDは教師や集団の負担になるものの,限局性学習症と発達性協調運動症は個人間に相互の影響を及ぼすものではなく,個人内の問題であることから,あまり重視されていなかったかと思われる。とは言え,この分野は医学だけでなく,教育学でも対象にされるものであることから,その両方の側面から,紹介をしていきたいと思う。
参考文献
1) 靑木誠四郎:児童心理学.賢文館,pp289-297,1940
2) Cohn R:Developmental dyscalculia. Pediatr Clin North Am 15:651-668, 1968
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