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文献詳細

雑誌文献

精神医学60巻11号

2018年11月発行

特集 精神科臨床から何を学び,何を継承し,精神医学を改革・改良できたか(Ⅰ)

医療観察法はどのような成果を上げたのか

著者: 岡田幸之1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学分野

ページ範囲:P.1231 - P.1236

文献概要

はじめに
 医療観察法の公布は2003年7月16日,施行は2005年7月15日であり,すでに12年以上運用されている。施行後に精神科医になった人たちも今や中堅である。医療観察法が成果を上げているのかと言われても,制度がない状況を知らない医師も少なくないということになる。言ってみればその制度の定着こそが成果ということになるかもしれない。本論では医療観察法施行が,精神科臨床,刑事司法,そして社会全体にどのような影響をもたらしたのかを概観する。

参考文献

1)安藤久美子:医療観察法における指定通院医療機関モニタリング調査研究.岡田幸之編:医療観察統計レポート—入院・通院モニタリング調査2018年版.国立精神・神経医療研究センター,pp29-69, 2018
2)河野稔明:医療観察法における指定入院医療機関モニタリング調査研究.岡田幸之編:医療観察統計レポート—入院・通院モニタリング調査2018年版.国立精神・神経医療研究センター,pp9-28, 2018
3)来住由樹:治療抵抗性統合失調症に対する効果的かつ安全な治療法の確立に関する研究.平林直次編:医療観察法における新たな治療介入法や行動制御に係る指標の開発等に関する研究.平成29年度総括・分担報告書,国立精神・神経医療研究センター,pp73-84, 2018
4)松田太郎:指定入院医療機関退院後の予後に影響を与える因子の道程に関する研究.平林直次編:医療観察法における新たな治療介入法や行動制御に係る指標の開発等に関する研究.平成29年度総括・分担報告書,国立精神・神経医療研究センター,pp15-30, 2018
5)岡田幸之,河野稔明,安藤久美子:医療観察法の医療—刑事司法から一般精神医療への流れをつくり対象者と社会をつなぐ.臨床心理学17:758-762, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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