文献詳細
文献概要
特集 せん妄をめぐる最近の動向
特集にあたって
著者: 間島竹彦12 藤平和吉2 松川幸英2 福田正人2
所属機関: 1国立病院機構渋川医療センター精神腫瘍科 2群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学分野
ページ範囲:P.221 - P.221
文献購入ページに移動本特集では「せん妄をめぐる最近の動向」をいくつかのキーワードから多面的に捉え,臨床実践の場で役立つ内容の原稿をまとめていただいた。「病態生理と治療」については和田健先生が,最新の知見を含めた生物学的機序を中心に,分かりやすい総論にまとめてくださっている。「予防」については松本晃明先生が,高齢者入院患者の不眠対応に着目した実践を中心に,予防のポイントを詳しく解説されている。「アルコール離脱せん妄」については木村充先生が,一般的なせん妄とは異なるアルコール離脱特有の対処法を詳しく解説されている。「高齢者」との関連では宮永和夫先生が,老年精神医学の視点から事例を提示し,その評価や意識障害そのものの持つ意味について論じられている。「がん患者」との関連では間島竹彦先生が,緩和ケアや精神腫瘍学の視点から,本人・家族・医療者へのケア的応対も含めて論じられている。「鑑別」については吉村匡史先生が,非けいれん性てんかん重積や睡眠随伴症,うつ病性昏迷,解離性障害などを取り上げ,具体的な鑑別ポイントを詳しく解説されている。「社会的問題」については吉岡充先生が,法律や倫理面などの歴史的変遷にも触れながら,臨床現場におけるあるべき姿や姿勢について論考を述べられている。いずれもそれぞれの分野にご造詣の深い,臨床経験豊富な先生方からのご寄稿である。
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