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文献詳細

雑誌文献

精神医学60巻3号

2018年03月発行

文献概要

私のカルテから

Quetiapineにより改善のみられた音楽性幻聴を伴ううつ病の1例

著者: 武田隆綱1

所属機関: 1武田メンタルクリニック

ページ範囲:P.307 - P.309

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はじめに
 音楽性幻聴とは外部からの音刺激がないにもかかわらず,歌や旋律が自然に外部から聞こえてくる臨床像をいい7),薬物療法に抵抗性であることが多い4)。筆者は,quetiapineにより改善のみられた音楽性幻聴を伴ううつ病の1例を経験したので報告する。なお症例が特定されないようにするため,文脈を損なわない範囲内で一部改変して記載している。また症例の記載については患者の同意を得ている。

参考文献

1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th ed. American Psychiatric Association, Arlington, 2013(日本精神神経学会日本語版用語監修,髙橋三郎,大野裕監訳:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014)
2)石郷岡純編:クエチアピンを使いこなす.星和書店,2009
3)Kitamura H, Saito M, Someya T:Two cases of musical hallucination successfully treated with quetiapine. Psychiatry Clin Neurosci 71:789, 2017
4)本山美久仁,岩本行生,松永寿人,他:うつ病に伴う音楽幻聴にブロナンセリンが著効した一例.仁明会精神医学研究 11:77-80, 2014
5)西田朗,堀口淳:精神病性の特徴を伴ううつ病に関する最近の話題.臨床精神医学 42:865-868, 2013
6)武内克也,酒井明夫,伊藤欣司,他:治療抵抗性の音楽幻聴に対してolanzapineが奏功した統合失調症の1症例.臨床精神医学 32:569-575, 2003
7)鵜飼聡:音楽性幻聴—その発現機序.臨床精神医学 41:739-744, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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