文献詳細
文献概要
特集 作業療法を活用するには
特集にあたって
著者: 長谷川利夫1
所属機関: 1杏林大学保健学部作業療法学科
ページ範囲:P.809 - P.809
文献購入ページに移動 折りしも本年は,呉秀三が大正7年に,『精神病者私宅監置の実況』の調査報告を行ってから100年の年である。呉の弟子である加藤普佐次郎の論考によれば,「呉博士は女病室内に裁縫室2個を設けしめ,従来は諸室の片隅において自分の欲するがままに仕事しおりたる患者を収容し,病院に用いる枕,病衣を裁縫せしむる事とせられたり。(中略)これ実に本邦公立精神病院における作業治療組織的実施の濫觴なり」とされている。呉はわが国の作業療法の祖である。
呉は同時に「開放的処置」についてさまざま画策している。明治37年の作業室新築に際し,「鉄格子等を設けず,その建築を注意して,普通家屋に近らしめたり。従ってこの作業室における作業は開放的にして大いに患者の生活を安意自由ならしむを得たり」と考え,実践していた。それから100年経った現在はどうであろうか?
呉は同時に「開放的処置」についてさまざま画策している。明治37年の作業室新築に際し,「鉄格子等を設けず,その建築を注意して,普通家屋に近らしめたり。従ってこの作業室における作業は開放的にして大いに患者の生活を安意自由ならしむを得たり」と考え,実践していた。それから100年経った現在はどうであろうか?
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