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文献詳細

雑誌文献

精神医学60巻8号

2018年08月発行

特集 作業療法を活用するには

社会療法としての作業療法—精神科医の経験を振り返って考える

著者: 金杉和夫1

所属機関: 1金杉クリニック

ページ範囲:P.875 - P.880

文献概要

はじめに
 職業や家事に結びついた生産的作業を行う狭い意味の作業療法だけでなく,芸術やスポーツなど人間の多様な活動を含めた広い意味の作業療法(活動療法と呼ぶこともできる)は,入院,デイケア,外来,地域ケアなど精神科治療のさまざまな場面で行われており,多くの精神科医はそこに何らかの治療的な意義があると認識していると思う。しかし精神科医が育ってきた年代,世代によって,また働いてきた施設によって,作業療法のイメージも実際の行われ方も違っていて,精神科医の間に作業療法に関する一致した見方,考え方がないように思う。筆者は精神科医として働いてきた経験から,作業療法には患者が病による混乱の中から日常生活や自然や人間社会とのつながりを回復していくきっかけを作る社会療法的な効果があると感じてきたので,本稿ではそれについて考えてみたい。

参考文献

1)水野雅文:就労支援.尾崎紀夫,三村將,水野雅文他編:標準精神医学第7版,医学書院,p219,2018
2)水野雅文:作業療法.尾崎紀夫,三村將,水野雅文他編:標準精神医学第7版,医学書院,p220,2018
3)大森哲郎,大野裕:精神科治療学.尾崎紀夫,三村將,水野雅文他編:標準精神医学第7版,医学書院,pp141-180,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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