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文献詳細

雑誌文献

精神医学61巻1号

2019年01月発行

文献概要

紹介

多職種連携による認知症在宅復帰プログラムの開発—事例を通した実践

著者: 坂本千晶12 藤巻康一郎2 西田征治2 西迫尚美1 重田かおる1 土岐茂1 小山田孝裕1

所属機関: 1三原病院 2県立広島大学大学院

ページ範囲:P.113 - P.122

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抄録 近年,認知症治療病棟の入院長期化が指摘され,厚生労働省も円滑な退院と在宅復帰を推奨している。このため当院独自の包括的在宅復帰プログラム「おかえりプロジェクト」(OP)を提案し導入を試みてきた。今回,認知症患者(以下A氏)へ作業療法士が主体となりOPを実施した。入院時の自宅訪問により,退院に向けた具体的目標を多職種で共有し,連携が促進された。その結果,ADLが改善し,サービスを利用しながら妻との在宅生活を取り戻した。認知症患者に対する自宅退院の支援は,入院早期から個別性の高い包括的な介入が必須であることが再確認された。

参考文献

1)千葉亜紀,平井基陽:医療保険による認知症リハビリテーションの実践.Journal of Clinical Rehabilitation 25:850-856, 2016
2)平野洋太郎:家族とともに在宅介護を学ぶ—自宅退院への試み.老年精神医学雑誌 25:929-934, 2014
3)架谷恵美,村井美智:多職種協働による認知症患者への退院支援のあり方.日本精神科看護学術集会誌 57:159-161, 2014
4)北村立:認知症医療における精神科医療の役割.日本社会精神医学会雑誌 26:59-64, 2017
5)厚生労働省:今後の認知症施策の方向性について.http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000079273.pdf(2018年11月27日閲覧)
6)幸若美智子,森久美子,中山暁文,他:認知症治療病棟でクリニカルパスを導入して—早期退院への取り組み.日本精神科看護学術集会誌 59:234-235, 2016
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8)正木都由子,友安英喜,森岡美由子,他:退院状況から検討する認知症治療病棟の役割と課題.日本精神科看護学術集会誌 54:208-209, 2011
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12)尾嵜遠見,前田潔:認知症治療病棟に関するアンケート調査—入院期間短縮に向けた要因の検討.老年精神医学雑誌 25:307-315, 2014
13)横田悠紀:入院時訪問指導を行い自宅退院を目指した一症例.みんなの理学療法 27:65-67, 2015
14)湯浅美千代,小川妙子,石塚敦子,他:認知症専門病棟における入院長期化の要因と退院支援の内容—看護職者へのグループインタビューより.順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 3:50-57, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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