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文献詳細

雑誌文献

精神医学61巻2号

2019年02月発行

文献概要

オピニオン パーソナリティ障害の現在

パーソナリティ障害は今

著者: 牛島定信1

所属機関: 1ホヅミひもろぎクリニック

ページ範囲:P.134 - P.137

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はじめに
 私は,「近年,BPDを主とするパーソナリティ障害が話題になることが減った」という企画者の印象には同感である。確かに,母親の育て方がわるかったと云って興奮する(その結果,死にたいと自傷する)ケース,登校・就労刺激を受けて家庭内暴力をしでかす(回避性パーソナリティ障害)ケースは減少したと思う。しかし,DSM-Ⅲ(1980)に登場したこれらパーソナリティ障害のケースが本当に減ったかといえば決してそうではない。臨床現場では,むしろ増加の傾向にあるが,別の診断で永年にわたる薬物療法が施されたり,精神医療の領域を飛び出したりしているケースが多くなって,臨床家の目に留まらなくなっているに過ぎないと,私は考えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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