icon fsr

雑誌詳細

文献概要

資料

基本アウトカムマスター(Basic Outcome Master:BOM)を用いた精神科アウトカム志向型パスの導入

著者: 松原拓郎1 岡崎勇樹1 小島瞳1 上山陽子1 鈴木勝彦1 山崎玲子1 川田和人1

所属機関: 1社会医療法人財団松原愛育会松原病院

ページ範囲:P.219 - P.229

抄録 当院では2016年よりBOM(Basic Outcome Master)を用いたアウトカム志向型パスを作成し,2018年より導入を行った。本稿では精神科におけるBOMの適応性とアウトカム志向型パスの導入効果を報告する。我々が作成した到達目標とBOMで表現が一致したアウトカムは全体で28.5%ときわめて少なく,とくにコーピングやソーシャルワークを表現するアウトカムがBOMでは存在しなかった。一方,アウトカム志向型パスの導入によって記録業務が64.0%減少することが分かった。アウトカム志向型のクリニカルパスを導入することによって大幅な業務改善にはつながるが,普及にあっては標準化されたアウトカムが使用されることが必要である。

参考文献

1)Cavanagh JT, Carson AJ, Sharpe M, et al:Psychological autopsy studies of suicide:a systematic review. Psychol Med 33:395-405, 2003
2)一般財団法人医療情報システム開発センター:標準マスターの概要と使い方 第17版.2018
3)伊藤弘人:精神科医療クリニカルパス総論.日本精神科病院協会雑誌 335:5-10, 2014
4)壁屋康洋(研究代表者):医療観察法指定医療機関ネットワークによる共通評価項目の信頼性と妥当性に関する研究(厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業)平成25年度総括研究報告書.2014
5)公益社団法人日本看護協会:看護記録に関する指針.2018
6)厚生労働省:中間取りまとめ(相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム)これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会.2017
7)厚生労働省:平成26年(2014)患者調査の概況.2014
8)厚生労働省:統合失調症患者への入院早期からの多職種による地域移行支援の標準化に関する調査(障害総合福祉推進事業).2014
9)日本クリニカルパス学会学術委員会:クリニカルパス実践テキスト.医学書院,2012
10)日本精神科救急学会:精神科救急医療ガイドライン.へるす出版,2015
11)副島秀久,中熊英貴:基本アウトカムマスター(Basic Outcome Master:BOM)の目的と構造および今後の課題.日本クリニカルパス学会誌 13:91-97, 2011
12)武井満:触法精神障害者の治療プログラムに関する研究.厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)分担研究報告書.2004
13)山之内芳雄:精神科病院の入院処遇における医療水準の向上システムの開発に関する研究(障害者対策総合研究開発事業)委託研究開発成果報告書.2016

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?