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文献詳細

雑誌文献

精神医学61巻3号

2019年03月発行

文献概要

特集 ICD-11のチェックポイント

身体苦痛または体験症群

著者: 山田和男1

所属機関: 1東北医科薬科大学病院精神科

ページ範囲:P.285 - P.292

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抄録 “身体苦痛または体験症群”は,患者の身体面における障害を経験することによって特徴付けられる疾患カテゴリーである。下位疾患として,“身体苦痛症”や“身体完全性違和”などがある。身体苦痛症は,患者が苦痛を感じ,過度の注意が向けられる身体症状を伴う。身体苦痛症は,ICD-10の身体表現性障害に対応するものと考えられるが,身体表現性障害とは異なり,患者の身体症状に過度の注意が向けられていることに重点を置く。ICD-11で新設された身体完全性違和は,持続性の不快感を伴うある特定の身体的障害を持ち続けるという欲求,または身体障害のない現状の身体構造に関連する強い不適切な感情を特徴とした疾患である。

参考文献

1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth ed.(DSM-5). American Psychiatric Association, Washington D.C., 2013(日本精神神経学会日本語版用語監修,髙橋三郎,大野裕監訳:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014)
2)Blom RM, Hennekam RC, Damiaan D:Body Integrity Identity Disorder. PLoS ONE 7:e34702, 2012
3)World Health Organization:The ICD-10 Classification of Mental and Behavioural Disorders:Clinical Descriptions and Diagnostic Guidelines. World Health Organization(WHO), Geneva, 1992(融道男,中根允文,小見山実他監訳:ICD-10—精神および行動の障害—臨床既述と診断ガイドライン 新訂版.医学書院,2005)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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