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特集 精神医学における主観と主体
身体医学における主体性と価値観
著者: 尾藤誠司1
所属機関: 1東京医療センター総合内科
ページ範囲:P.499 - P.506
文献購入ページに移動抄録 身体の健康問題は,その問題に対して当事者が向き合う上で精神の健康問題とはやや異なる部分が存在する。その一つは「disease」としての「病気」と「illness」としての「病気」がしばしば乖離し,当事者における「病気」と,医療サービスを提供する専門家にとっての「病気」の位置付けや問題の大きさ,価値付けに対し調整が必要になるということである。それは「病気だけど病気ではない」もしくは「病気ではないが病気だ」という状況の調整とも理解できる。本稿では以上のねじれ関係を中心にしながら「患者として主体的」な存在であることについての論考を行った。
参考文献
1)浮ケ谷幸代:病気だけど病気ではない—糖尿病とともに生きる生活世界.誠信書房,2004
2)伊藤亜沙:どもる体.医学書院,2018
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