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文献詳細

雑誌文献

精神医学61巻5号

2019年05月発行

文献概要

特集 精神医学における主観と主体

居場所の臨床としてのハウジングファースト

著者: 熊倉陽介1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野

ページ範囲:P.533 - P.540

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抄録 居場所ということばには心理的な意味合いが含まれており,自らのアイデンティティが確かめられる環境のことを意味する。居場所のなさはメンタルヘルスに大きな影響を与える。本稿では,ホームレス支援を居場所の臨床と位置付け,その新しい支援の方策であるハウジングファーストについて紹介する。ハウジングファーストは,「まず安定した住まいを確保した上で,本人のニーズに応じて支援を行う」という非常にシンプルな考え方であり,その根幹は「住まいと支援の分離(独立)」にある。治療を受けることや回復することなどの条件を求めず,居場所としての住まいを提供するという支援のあり方を考えることを通して,居場所について考察する。

参考文献

1)総合人間学会編:〈居場所〉の喪失,これからの〈居場所〉:成長・競争社会とその先へ.学文社,2015
2)熊倉陽介,森川すいめい:ハウジングファースト型のホームレス支援のエビデンスとその実践.賃金と社会保障 1692:4-22, 2017
3)熊倉陽介,清野賢司:どうして住まいの支援からはじめる必要があるのか—ホームレス・ハウジングファースト・援助希求の多様性・つながりをめぐる支援論.こころの科学 202:60-65, 2018
4)稲葉剛,森川すいめい,小川芳範編:ハウジングファースト—住まいからはじまる支援の可能性.山吹書店,2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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