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文献詳細

雑誌文献

精神医学61巻6号

2019年06月発行

特集 マインドフルネス療法は他の精神療法と何が違うのか?

特集にあたって フリーアクセス

著者: 佐渡充洋1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室

ページ範囲:P.625 - P.625

文献概要

 マインドフルネス療法が空前のブームである。医療の領域では,うつ病の再発予防,不安障害,がん患者の再発不安,健常者のストレス,禁煙といったさまざまな疾患や病態に対する効果検証が進んでいる。またその影響は医療だけにとどまらず,ビジネス,教育などの領域へも拡大の一途をたどっている。ここまで急速に認知度が拡大するのは,その内容に何か特別なものでもあるからなのだろうか?
 大谷彰氏によるとマインドフルネスとは,「今ここの体験に気付き,それをありのままに受け入れる態度および方法」と定義される。瞑想やヨガといったこれまでの精神療法が用いてなかった手法を用いる点に,ある種の新奇性はあるものの,定義で述べられた「今ここ」という現在性,「ありのままに受け入れる」という受容の姿勢には,真新しさは特に認められない。むしろ,こうした要素は,西洋,東洋それぞれに起源を持つ多くの精神療法でこれまでにもすでに提唱されてきた概念である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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