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文献詳細

雑誌文献

精神医学61巻6号

2019年06月発行

文献概要

特集 マインドフルネス療法は他の精神療法と何が違うのか?

マインドフルネス療法の基本的なアプローチ

著者: 佐渡充洋1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室

ページ範囲:P.627 - P.635

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抄録 マインドフルネス療法の特徴を他の精神療法との比較を通して議論するためには,マインドフルネス療法そのものの特徴を最初に明らかにしておく必要がある。マインドフルネス療法は,毎週1回2〜3時間,合計8週間の構造で10〜20人程度の集団療法の形式で実施されるのが基本である。マインドフルネス療法がとる基本的アプローチは,不快な体験に対するかかわり方を変えるという点にあり,これが効果を発揮する機序にかかわっている。さらに,このアプローチを可能にする方法として,注意のシフト,あることモードでの対応,脱中心化の3つの方法がある。マインドフルネス療法の特徴は,患者個人の問題を扱うのではなく,不快な体験に対するアプローチを変えるための方法論を具体的に提示していることにあると考えられる。

参考文献

1)大谷彰:マインドフルネス入門講義.金剛出版,2014
2)ウィンディ・ドライデン編,ジョナサン・W・カンター,アンドリュー・M・ブッシュ,ローラ・C・ラッシュ著,大野裕監修,岡本泰昌監訳,西川美樹訳:行動活性化.明石書店,2015
3)Watkins E:Rumination-Focused Cognitive-Behavioral Therapy for Depression. Guilford Press, New York, 2016
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5)Barnard PJ, Teasdale JD:Interacting cognitive subsystems:A systemic approach to cognitive-affective interaction and change. Cogn Emot 5:1-39, 1991
6)Teasdale JD, Segal Z, Williams JM:How does cognitive therapy prevent depressive relapse and why should attentional control(mindfulness)training help? Behav Res Ther 33:25-39, 1995
7)Farb NA, Segal ZV, Mayberg H, et al:Attending to the present:mindfulness meditation reveals distinct neural modes of self-reference. Soc Cogn Affect Neurosci 2:313-322, 2007
8)Watkins E, Teasdale JD:Adaptive and maladaptive self-focus in depression. J Affect Disord 82:1-8, 2004
9)シーガル ZV,ウィリアムズ JMG,ティーズデール JD著,越川房子監訳:マインドフルネス認知療法—うつを予防する新しいアプローチ.北大路書房,2007
10)Shapiro SL, Carlson LE, Astin JA, et al:Mechanisms of mindfulness. J Clin Psychol 62:373-386, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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