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特集 マインドフルネス療法は他の精神療法と何が違うのか?
文献概要
抄録 内観療法の立場からみたマインドフルネス療法について,共通点,相違点について考察する。そしてその際に,内観療法で対象とされる両親・兄弟・身近な人に対して,「してもらったこと・して返したこと・迷惑をかけたこと」という内観独特の三項目を通して,繰り返し想起するアプローチとマインドフルネスでも触れられる『慈悲』との対比についても言及する。それらを論じる前に,内観療法について,その概要を実際の実習環境を含めて紹介するが,まず,これまで内観界で使われている言葉や概念を解説する必要があると考えるので,具体的な事例を交えて述べる。その際,可能な限り,マインドフルネスとの対比を念頭に置くことにする。
参考文献
1)吉本伊信:内観への招待.朱鷺書房,1983
2)真栄城輝明:心理療法としての内観.朱鷺書房,2005
3)大谷彰:マインドフルネスの進化と真価−臨床パラダイムの知見から.井塚まり編著:進化する毎度フルネス〜ウェルビーングへと続く道.創元社,pp23-53, 2018
4)プラユキ・ナラテボー:ピュア・マインドフルネスと瞑想.井塚まり編著:進化するマインドフルネス−ウェルビーングへと続く道.創元社,pp66-74, 2018
5)北見芳雄:夢分析からみた内観過程についての一考察.第4回日本内観学会発表論文集.pp60-61, 1981
6)古谷スミ子,真栄城輝明:内観過程にコラージュを試みた事例の小考察—ことばとイメージの融合による有用性.内観研究 20:51-64, 2014
7)真栄城輝明:サイコセラピーとしての内観.秋田巌編:日本の心理療法—思想篇.新曜社,2014
8)河合隼雄:心理療法序説.岩波書店,1992
9)李大云:内観との出会い.内観ニュース第28号:2002
10)ひろさちや:仏教と神道.新潮選書,1987
11)クリストフ・アンドレ著,坂田雪子監訳,繁松緑訳:初めてのマインドフルネス.紀伊国屋書店,2015
12)藤井英雄:マインドフルネスの教科書.Clover出版,2018
13)スティーヴン・マーフィー重松:スタンフォード大学マインドフルネス教室.坂井純子訳 講談社,2016
14)高橋美保:マインドフルネスが心理療法にもたらすもの—内観療法との関連から.精神療法 215:483-490, 2016
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