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文献詳細

雑誌文献

精神医学61巻7号

2019年07月発行

文献概要

特集 今再び問う,内因性精神疾患と心因性精神疾患の概念

臨床医からみた内因/心因

著者: 小野泰之1

所属機関: 1東京医科大学精神医学分野

ページ範囲:P.761 - P.768

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抄録 患者の病理が内因なのか心因なのかという見立てと,治療手段は強く結びついている。それはたとえば「内因-薬物療法」といった具合に結びついているように思われる。それは標準的な診療現場では未だに有効であることが多いし,薬物療法も確実に進歩しているように思われる。一方で,そういった場合に精神療法的な観点は,どうしても抜け落ちてしまうことが多いかもしれない。たとえ「内因-薬物療法」を治療の中心に据えた場合でも,精神療法的な観点,つまり,こころをこころで受け取るというような観点を保つことで生物学的な視点とは違った視点が得られる。また精神分析の理論から,仮説ではあるが奥行きのある構造を学ぶことはラポールの形成に役立つだろう。

参考文献

1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 3rd ed.(DSM-Ⅲ). APA Press, Washinton DC, 1980
2)ジームクント・フロイト著,道籏泰三訳:自我とエス フロイト全集18.岩波書店,2007
3)藤山直樹:人格障害をもつ患者のマネジメントにむけて.精神科治療学 16:745-750, 2001
4)Akiskal HS, Mallya G:Criteria for the “soft” bipolar spectrum:treatment implications. Psychopharmacol Bull 23:68-73, 1987
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6)斎藤環:オープンダイアローグとは何か.医学書院,2015
7)Fonagy P, Rost F, Carlyle JA, et al:Pragmatic randomized controlled trial of long-term psychoanalytic psychotherapy for treatment-resistant depression;the Tavistock Adult Depression Study(TADS). World Psychiatry 14:312-321, 2015
8)ジームクント・フロイト著,伊藤正博訳:喪とメランコリーフロイト全集14.岩波書店,2010
9)マイケル・カーン著,妙木浩之監修,秋田恭子,清水めぐみ訳:ベイシック・フロイト.岩崎学術出版社,2017
10)Baker JE:Mourning and the transformation of object relationships. Psychoanalytic Psychology 18:55-73, 2001
11)藤山直樹:精神分析からみた鬱病臨床.内海健,神庭重信編:「うつ」の舞台.弘文堂,pp56-91, 2018
12)藤山直樹:アスペルガー症候群とシゾイドパーソナリティ障害—臨床的複眼視に向けて.精神経誌 109:31-33, 2001
13)山下格:心因と身体因.精神医学 20:2-3, 1978

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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