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特集 光と精神医学
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著者: 内山真1
所属機関: 1日本大学医学部精神医学系
ページ範囲:P.871 - P.871
文献購入ページに移動高照度光療法における抗うつ効果の作用機序については,既に神経連絡が明らかになっていた睡眠や概日リズムに対する影響を介した作用と考えられてきたが,臨床研究が進むにつれ気分に対する光の直接的な作用を想定しないと説明困難な現象が報告されるようになった。さらに,ヒトを用いた基礎的および臨床的研究から,不安や認知機能に対する影響についても明らかになってきた。2010年以降になって,動物において,網膜の最表層にある光感受性網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive retinal ganglion cell:ipRGC)から直接に海馬や扁桃体に投射する経路が発見された。あらためて光の抗うつ効果や認知機能に対する効果について再評価が行われるようになってきた。
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