icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学61巻8号

2019年08月発行

資料

精神運動障害によるメランコリア(内因性うつ病)の鑑別—日本語版CORE尺度の紹介

著者: 玉田有12 井上猛2 大前晋3

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会虎の門病院分院精神科 2東京医科大学精神医学分野 3国家公務員共済組合連合会虎の門病院精神科

ページ範囲:P.971 - P.981

文献概要

抄録 CORE尺度とは,抑うつ病態のなかからメランコリア(内因性うつ病)を鑑別するために,制止・焦燥といった精神運動障害を評価する尺度である。「メランコリアの中核的特徴は精神運動障害であり,それを患者の主観的な訴えではなく,観察可能な行動学的特徴として捉えることでメランコリアの識別が可能になる」というParker Gの考えに基づいて開発された。CORE尺度は,メランコリア診断のための補助的情報,あるいは電気けいれん療法の効果を予測する指標などとして有用性が期待される。本稿では,原著者の許諾を得て作成したCORE尺度の日本語版を,使用方法とともに紹介した。

参考文献

1)大前晋:「軽症内因性うつ病」の発見とその現代的意義—うつ病態分類をめぐる単一論と二分論の論争,1926〜1957年の英国を中心に.精神経誌 111:486-501, 2009
2)Parker G, McCraw S:The properties and utility of the CORE measure of melancholia. J Affect Disord 207:128-135, 2017
3)Parker G, Hadzi-Pavlovic D:Melancholia:A Disorder of Movement and Mood:A Phenomenological and Neurobiological Review. Cambridge University Press, Cambridge, 1996
4)Parker G:Diagnosing melancholic depression:some personal observations. Australas Psychiatry 25:21-24, 2017
5)Parker G, Bassett D, Outhred T, et al:Defining melancholia:A core mood disorder. Bipolar Disord 19:235-237, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら