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中高年期に側頭葉てんかんを発症した脳梁欠損症の1例
著者: 熊谷亮12 一宮洋介2
所属機関: 1医療法人社団踏青会下総病院精神科 2順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
ページ範囲:P.105 - P.108
文献購入ページに移動脳梁は左右の大脳半球を連結する神経線維の束であり,大脳半球の内側面・側脳室の背側壁に位置する。ヒトの脳では妊娠17週目に脳梁が完成するが1),発生過程が何らかの原因により障害されると脳梁欠損や形成不全が生じる。その発生率は約0.7%とされ2),多くの場合他の脳奇形を伴い,さまざまな精神・神経症状を呈するとされる。
今回我々は,幼少期以降は無症状で経過し,中高年期に側頭葉てんかんを合併し発見に至った脳梁欠損症の症例を経験したため,ここに報告する。症例の記載については書面で同意を得ており,匿名性保持のため論旨に影響のない範囲で改変を施している。開示すべき利益相反はない。
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