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文献詳細

雑誌文献

精神医学62巻1号

2020年01月発行

文献概要

私のカルテから

中高年期に側頭葉てんかんを発症した脳梁欠損症の1例

著者: 熊谷亮12 一宮洋介2

所属機関: 1医療法人社団踏青会下総病院精神科 2順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック

ページ範囲:P.105 - P.108

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はじめに
 脳梁は左右の大脳半球を連結する神経線維の束であり,大脳半球の内側面・側脳室の背側壁に位置する。ヒトの脳では妊娠17週目に脳梁が完成するが1),発生過程が何らかの原因により障害されると脳梁欠損や形成不全が生じる。その発生率は約0.7%とされ2),多くの場合他の脳奇形を伴い,さまざまな精神・神経症状を呈するとされる。
 今回我々は,幼少期以降は無症状で経過し,中高年期に側頭葉てんかんを合併し発見に至った脳梁欠損症の症例を経験したため,ここに報告する。症例の記載については書面で同意を得ており,匿名性保持のため論旨に影響のない範囲で改変を施している。開示すべき利益相反はない。

参考文献

1)Kendall BE:Dysgenesis of the corpus callosum. Neuroradiology 25:239-256, 1983
2)草務博昭,志村俊郎,寺本明:脳ドックにて偶然発見された無症候性脳梁形成不全症の2症例.健康医学 13:325-327, 1998
3)Taylor M, David AS:Agenesis of the corpus callosum:a United Kingdom series of 56 cases. J Neurol Neurosurg Psychiatry 64:131-134, 1998
4)David AS, Wachrasindhu A, Lishman WA:Severe psychiatric disturbance and abnormalities of the corpus callosum:Review and case series. J Neurol Neurosurg Psychiatry 56:85-93, 1993
5)財津康司,秋山政寛,安藤義将,他:脳波異常と幻覚妄想状態を呈した脳梁欠損症の1例.精神医学 47:549-552, 2005
6)Noorani PA, Bodensteiner JB, Barnes PD:Colpocephaly:Frequency and associated findings. J Child Neurol 3:100-104, 1988
7)伊藤康,小国弘量,舟塚真,他:7例のcolpocephalyに合併した症候性部分てんかんの臨床・脳波学的検討.脳と発達 40:244-248, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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