icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学62巻11号

2020年11月発行

文献概要

特集 若年性認知症の疫学・臨床・社会支援

わが国における若年性認知症の有病率と生活実態調査

著者: 粟田主一1

所属機関: 1東京都健康長寿医療センター研究所

ページ範囲:P.1429 - P.1444

文献購入ページに移動
抄録 全国12都道府県において若年性認知症の有病率と生活実態調査を行った。2018年におけるわが国の若年性認知症有病率(調査時65歳未満)は18〜64歳人口10万対50.9,有病者数は3.57万人と推定された。最も頻度が高い原因疾患はアルツハイマー型認知症であり,血管性認知症がそれに次いだ。生活実態調査の結果を踏まえ,1)診断へのアクセシビリティの確保,2)職域における理解促進と就労継続支援,3)ニーズにあったサービスの開発と普及,4)経済状況のアセスメントと社会保障制度の利用促進,5)認知症疾患医療センターにおける質の高い診断と診断後支援の体制確保,が今後の政策課題であることを指摘した。

参考文献

1)Awata S, Edahiro A, Arai T, et al:Prevalence and subtype distribution of early-onset dementia in Japan. Psychogeriatrics. 2020 Aug 19. doi:10.1111/psyg.12596. Epub ahead of print.
2)一ノ渡尚道:厚生省科学研究費補助金「若年性認知症の実態に関する研究」.平成8年度報告書(研究代表者:一ノ渡尚道).1997
3)朝田隆:厚生労働科学研究費補助金長寿科学総合研究事業「若年性認知症の実態と対応の基盤整備に関する研究」.平成20年度総括・分担研究報告書(研究代表者:朝田隆).2009
4)粟田主一:厚生労働科学研究費補助金認知症政策研究事業「若年性認知症の人の生活実態調査と大都市における認知症の有病率及び生活実態調査」令和元年度総括・分担研究報告書(研究代表者:粟田主一),2020
5)Edahiro A, Miyamae F, Taga T, et al:Incidence and distribution of subtypes of early-onset dementia in Japan:a nationwide analysis based on annual performance reports of the Medical Centers for Dementia. Geriatr Gerontol Int. 2020 Sep 28. doi:10.1111/ggi.14043. Epub ahead of print.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?