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文献詳細

雑誌文献

精神医学62巻11号

2020年11月発行

文献概要

特集 若年性認知症の疫学・臨床・社会支援

若年性認知症の本人・家族・市民協働による地域生活支援

著者: 田中悠美子12

所属機関: 1若年認知症ねりまの会MARINE 2立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科

ページ範囲:P.1509 - P.1516

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抄録 2009年10月より東京都練馬区を拠点に任意団体として設立をした「若年認知症ねりまの会MARINE」。現在,会員は総勢90名で,診断後まもない人から,介護保険サービス未利用の人,症状が進行し,各種サービスを利用しながら自宅で生活している人,病院や施設で暮らしている人まで多様である。地域に根差したインフォーマルな共同体として,同じ病気や生活課題を持つ仲間同士,互いに経験や思いを共有しながら支え合っている。
 本稿では,当会の活動内容とその特徴,そして,本人・家族・市民ボランティアによる協働の実際と,これからの市民活動のあり方について論じていく。当会の会員一人ひとりが,自身のできる,やりたいことを活動の中で主体的に楽しみながら取り組んでいる。そして,病気や障がいの有無を超えて,多様な人とつながり,地域社会との接点を持ちながら活動を行うことに充実感や面白さを感じていることが重要な要素であると考える。

参考文献

1)練馬区ホームページ:世帯と人口(人口統計).  https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/tokei/jinko/(2020年8月15日閲覧)
2)練馬区ホームページ:在宅療養を支える当事者・家族会.  https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/iryo/zaitaku/toujisyakazokukai.html(2020年8月15日閲覧)
3)JUGEM:全国認知症カフェガイドon the WEB.http://ninchishocafe.jugem.jp(2020年8月15日閲覧)
4)東京都福祉保健局高齢社会対策部在宅支援課:若年性認知症の本人の通いの場をつくるガイドブック—事業所における実践ポイント.2020
5)田中悠美子:若年性認知症者を支えるソーシャルサポートの現状と課題.日本デイケア学会誌デイケア実践研究 16:55-62, 2013
6)田中悠美子:若年性認知症者の総合支援システムの構築に向けた研究—実態調査から見えてきた生活課題の解析を基に.日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程,2014年3月
7)厚生労働省:地域共生社会の実現にむけて. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184346.html(2020年8月15日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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