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文献詳細

雑誌文献

精神医学62巻11号

2020年11月発行

文献概要

私のカルテから

前頭部間欠律動性デルタ波(FIRDA)を呈した神経核内封入体病(NIID)の1例

著者: 高東祥一朗1 竹之下慎太郎1 寺田整司1 川田清宏1 曽根淳2 山田了士1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学 2国立病院機構鈴鹿病院脳神経内科

ページ範囲:P.1549 - P.1553

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はじめに
 神経核内封入体病(neuronal intranuclear inclusion disease:NIID)は,神経組織や一般臓器の細胞核内に形成される好酸性封入体を特徴とする神経変性疾患である1,2)。幅広い年齢で発症し,筋力低下や運動失調など多彩な臨床像を呈するが,高齢発症例では認知症を疑われて受診する例が多い。稀な疾患と考えられていたが,2011年に皮膚生検で組織診断が可能となってから報告数は増加し,2019年にNOTCH2NLC遺伝子のGGCリピート伸長が原因であることが特定され,病態が解明されつつある。今回,我々は前頭部間欠律動性デルタ波(FIRDA)を呈したNIIDの1例を経験したので報告する。なお,本症例の報告に際して,本人および家族から同意を得て,匿名性に配慮して論旨に影響がない範囲で改変している。

参考文献

1)曽根淳:神経核内封入体病(NIID).Annual Review神経 2018:97-105, 2018
2)Takahashi-Fujigasaki J:Neuronal intranuclear hyaline inclusion disease. Neuropathology 23:351-359, 2003
3)Sone J, Mori K, Inagaki T, et al:Clinicopathological features of adult-onset neuronal intranuclear inclusion disease. Brain 139:3170-3186, 2016
4)Accolla EA, Kaplan PW, Maeder-Ingvar M, et al:Clinical correlates of frontal intermittent rhythmic delta activity(FIRDA). Clin Neurophysiol 122:27-31, 2011
5)Shindo K, Tsuchiya M, Hata T, et al:Non-convulsive status epilepticus associated with neuronal intranuclear inclusion disease:a case report and literature review. Epilepsy Behav Case Rep 26:103-106, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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