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文献詳細

雑誌文献

精神医学62巻2号

2020年02月発行

特集 発達障害と認知症をめぐって

地域における児童精神科医からみた高齢化

著者: 有賀道生1

所属機関: 1社会福祉法人青い鳥 横浜市東部地域療育センター

ページ範囲:P.187 - P.193

文献概要

抄録 知的障害や重症心身障害,および自閉スペクトラム症やADHDなどの発達障害支援について,精神医療は生涯にわたり関与し続けるべきであるが,「児童・思春期精神医療」「老年期精神医療」といったライフステージ別に専門性が分断されているために支援の連続性が担保されにくくなっている。そのため認知症を中心とする高齢化した発達障害の精神医学的評価,診断そして治療においてはそれぞれの現場で暗中模索であり,今後医学的知見の積み上げが求められる。そのためにはライフステージごとにおける精神医学的課題と関連問題について,いかなる精神科医も特に発達障害と認知症については精神医療におけるcommon disorderとして認識する必要があり,そしてプライマリ・ケアでかかわれる「ジェネラリスト精神科医」の養成が急務であろう。

参考文献

1)五味洋一,志賀利一,木下大生,他:障害者支援施設における65歳以上の知的障害者の実態に関する研究.国立のぞみの園紀要 6:14-24, 2012
2)Holland AJ, Hon, J, Huppert FA, et al:Population-based study of the prevalence and presentation of dementia in adults with Down's syndrome. Br J Psychiatry 172:493-498, 1998
3)British Psychological Society:Dementia and People with Learning Disabilities. British Psychological Society, Leicester, 2009
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5)木下大生,村岡美幸,有賀道生,他:日本語版Dementia Screening Questionnaire for Individuals with Intellectual Disabilities(DSQIID)開発に関する研究.国立のぞみの園紀要 3:68-75, 2009
6)木下大生,有賀道生,上原徹,他:知的障害者用認知症判別尺度日本語版DSQIIDの開発に関する研究:感度と特異度の検証を中心として.国立のぞみの園紀要 5:49-62, 2011
7)福島愛美,村岡美幸,古屋和彦,他:知的障害者施設における認知症の早期発見に向けて—知的障害者用認知症判別尺度(DSQIID)の2年間の結果の比較から.国立のぞみの園紀要 12:122-126, 2018
8)日本知的障害者福祉協会:全国知的障害児者施設・事業実態調査報告書2013.p62, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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