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雑誌詳細

文献概要

特集 精神医学・医療の未来を拓く人材育成

これからの時代の「一般精神科医」の育成

著者: 北野絵莉子1 和迩健太2 原正吾2 吉村優作1 鷲田健二1 青木省三13

所属機関: 1公益財団法人慈圭会慈圭病院 2川崎医科大学精神科学教室 3公益財団法人慈圭会精神医学研究所

ページ範囲:P.241 - P.249

抄録 時代の移り変わりとともに,疾患概念や治療方法は変化を遂げている。精神科医を志す医師への教育のあり方もまた過渡期にあると考えられる。本稿では,まずは先輩の姿を見て,患者の話に耳を傾け,症状を把握し診断や治療・支援を行うことを身につけるという普遍的な学び方について記した。次いで,非典型・非定型な病像と経過をどう考えるか,そしてその際は,その症状を反応性と捉え直すことや,患者の生活背景や歴史などに目を向けること,などを記した。最後に,これからの精神科医は診察室の中で患者を診るだけでなく,生活の場での患者を診ることも求められているという,筆者らの考えを記した。

参考文献

1)青木省三:こころの病を診るということ—私の伝えたい精神科診療の基本.医学書院,2017
2)村上伸治:現場から考える精神療法—うつ,統合失調症,そして発達障害.日本評論社,2017
3)中井久夫:新版 精神科治療の覚書.日本評論社,2014
4)星野弘:新編 分裂病を耕す.日本評論社,2017
5)青木省三,村上伸治編:大人の発達障害を診るということ—診断や対応に迷う症例から考える.医学書院,2015
6)青木省三:反応性からみた成人期の自閉スペクトラム症.内海健,清水光恵,鈴木國文編:発達障害の精神病理2.星和書店,pp2-28, 2020
7)青木省三,鷲田健二,吉村優作,他:成人の精神科臨床とトラウマ.臨床精神医学 47:741-746, 2018
8)青木省三:ぼくらの中の「トラウマ」—いたみを癒すということ.ちくまプリマー新書,2020
9)鷲田健二,青木省三:思春期青年期の不安に対する精神療法的アプローチ.精神療法 45:659-664, 2019
10)和迩健太,原正吾,北野絵莉子,他:大学病院におけるアウトリーチ支援の可能性.青木省三編:精神科臨床を学ぶ.日本評論社,pp268-275, 2018
11)原正吾,高橋優,和迩健太,他:摂食障害をチームでみる.そだちの科学 25:34-39, 2015
12)北野絵莉子,青木省三:高校から大学における社会的支援の実際.そだちの科学 28:35-39, 2017

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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