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文献詳細

雑誌文献

精神医学62巻3号

2020年03月発行

特集 精神医学・医療の未来を拓く人材育成

児童青年期精神医学の人材育成

著者: 飯田順三1

所属機関: 1奈良県立医科大学医学部看護学科人間発達学

ページ範囲:P.251 - P.257

文献概要

抄録 日本の児童精神科医療では児童精神科医が不足しているために社会的ニーズに応えられていない。その不足を解消するためには,大学における児童精神医学講座の設置や児童精神科医としての職場の確保が必要であることを指摘した。またその職場の確保のためには,一般精神科病院における児童精神科の設置が重要であり,そのためには保険点数の改善などによる経済的措置が必要である。さらに国民が安心して信頼できる専門医となることが重要であり,そのために日本専門医機構におけるサブスペシャルティとなることが喫緊の課題である。そして専門医制度の下に標準的な児童精神科医療を提供できる児童精神科医を養成することが社会のニーズに応えることになると思われる。

参考文献

1)厚生労働省:医師の働き方改革に関する検討会報告書.p15, 2019
2)Thomas C, Holzer C:The continuing shortage of child and adolescent psychiatrists. J Am Acad Child Adolesc Psychiatry 45:1023-1031, 2006
3)田宮聡:アメリカ合衆国における児童精神科育成プログラム.精神経誌 111:198-203, 2009
4)山内俊雄:子どもの心の診療の現状と問題点—全国大学医学部・医科大学における教育・診療の実態調査から.精神経誌 111:174-187, 2009
5)奈良県医療政策部医師・看護師確保対策室:奈良県緊急医師確保修学資金の手引き.pp1-20, 2015
6)飯田順三:精神科専門医が知っておくべき児童・青年期精神医学の基本.臨床精神医学 47:693-697, 2018
7)飯田順三:母子関係からみた心の発達.飯田順三編:脳とこころのプライマリケア4子どもの発達と行動.シナジー,pp15-23, 2010
8)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth ed. (DSM-5). American Psychiatric Publishing, Washington D.C., 2013(日本精神神経学会日本語版用語監修,髙橋三郎,大野裕監訳:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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