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特集 精神医学・医療の未来を拓く人材育成
依存症医療の人材育成
著者: 真栄里仁1 樋口進1
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター
ページ範囲:P.307 - P.314
文献購入ページに移動抄録 依存症診療はハードルが高い印象を持たれがちであるが実際にはマニュアル化も進み,研修も多く人材育成の面では整備が進んでいる分野である。依存症はさまざまな分野に関係しており,診断基準,重複障害,心理社会的治療,自助グループ,地域連携など多岐にわたる知識やスキルが求められる。近年は研修会を通した人材育成が主流となってきており,アルコール依存症臨床医等研修,薬物依存臨床医師研修/薬物依存臨床看護師等研修,認知行動療法の手法を活用した薬物依存症に対する集団療法研修,インターネット依存症研修などの既存の研修に加え,2017年から始まった依存症対策全国センター事業関連研修でも,アルコール,薬物,ギャンブル等依存症について依存症治療指導者/相談対応指導者養成研修,地域生活支援指導者養成研修などさまざまな研修が実施されている。
参考文献
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