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特集 精神医学・医療の未来を拓く人材育成
精神医学臨床研究医のキャリア形成—臨床と研究は密接不可分
著者: 大森哲郎1
所属機関: 1徳島大学大学院医歯薬学研究精神医学分野
ページ範囲:P.323 - P.328
文献購入ページに移動抄録 教科書や診断マニュアルや治療ガイドラインは,これまでの研究成果と臨床知見の集積に基づいて作成され,臨床現場での検証と新たな研究所見を加えて改訂されていく。また,私たちの診療は,仮説的理解である見立てのもとに,確率的および経験的に最善と判断する治療を選択しているのであり,実際のところ1例1例における厳粛なクリニカルトライアルであるとも言える。臨床と研究は密接不可分であり,臨床医は皆ある程度の研究の素養を持つことが望ましい。精神神経学会のみならず臨床諸学会が研修初期から学術活動を推奨するのはそのためである。そこを出発点として,本格的な研究を志向する若手が数多く育つことを期待したい。Michael Rutter教授が語った研究キャリアを積むための助言を紹介した。
参考文献
1)日本精神神経学会:専門研修プログラム整備基準【精神科領域】第3版. https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/specialist/seibi_kijyun_20190316.pdf(2019年12月閲覧)
2)日本内科学会:専門研修プログラム整備基準【内科領域】. https://www.naika.or.jp/jsim_wp/wp-content/uploads/2018/09/2017-program.pdf(2019年12月閲覧)
3)日本小児科学会:小児科領域専門研修プログラム整備基準第2版. https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/senmon_20170601_kijun.pdf(2019年12月閲覧)
4)Andreasen NC:DSM and the death of phenomenology in america:an example of unintended consequences. Schizophr Bull 33:108-112, 2007
5)Rutter M:Child and Adolescent Psychopathology. Past and Future. 児童青年期精神医学とその近接領域 53:200-219, 2012
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