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文献詳細

雑誌文献

精神医学62巻5号

2020年05月発行

文献概要

増大号特集 精神科診療のエビデンス—国内外の重要ガイドライン解説 第9章 摂食障害

Eating disorders: recognition and treatment(NICE guideline, NG69)

著者: 宮脇大1 原田朋子1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学

ページ範囲:P.656 - P.662

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ガイドラインのポイント
 ・ガイドライン1)は全40ページで,推奨事項,背景,今後の研究への推奨で構成されている。表1にガイドラインの構成を示す。一方,概要,摂食障害の一般的特徴や疫学などを含む序論,ガイドラインの作成根拠を掲載した970ページに及ぶフルガイドライン2)もNICEホームページからダウンロード可能である。
 ・対象者は,精神科医やかかりつけ医(general practitioner:GP)など医療の専門家だけでなく,行政,教育および司法関係者を含めたサービス提供者,加えて患者本人や家族を対象とすると明記されている。ただし,まず登録しているGPで診察を受け,そこから紹介を受けてはじめて病院を受診できるというGP制度など,英国独自の公的医療制度下での使用を前提としている。

参考文献

1)National Institute for Health Care Excellence(NICE):Eating disorders;recognition and treatment. NICE guideline[NG69]. 2017 https://www.nice.org.uk/guidance/ng69(2020年2月20日閲覧)
2)National Institute for Health Care Excellence(NICE):Eating disorders;recognition and treatment. Full guideline. NICE guideline[NG69]. 2017. https://www.nice.org.uk/guidance/ng69/evidence(2020年2月20日閲覧)
3)日本摂食障害学会国際交流委員会:NICEガイドライン改訂について.http://www.jsed.org/news/nice-ガイドライン改訂について/(2020年2月20日閲覧)
4)西園マーハ文:【明日からできる摂食障害の診療Ⅰ】NICEガイドラインの概要と日本の臨床への応用.精神科臨床サービス 15:318-323, 2015
5)摂食障害に対する認知行動療法CBT-E簡易マニュアル.摂食障害情報ポータルサイトHP http://www.edportal.jp/pro/material_01.html(2020年2月20日閲覧)
6)Christopher G. Fairburn原著,切池信夫監訳:摂食障害治療の認知行動療法.医学書院,2010
7)Schmidt U, Startup H, Treasure J:A cognitive-interpersonal therapy workbook for treating anorexia nervosa:The Maudsley Model. Routledge, New York, 2018
8)中里道子:【摂食障害の今日的理解と治療Ⅱ】摂食障害患者の動機づけ モーズレイ式成人の神経性やせ症治療(MANTRA)より.精神科治療学 33:1393-1398, 2018
9)McIntosh VV, Jordan J, Luty SE, et al:Specialist supportive clinical management for anorexia nervosa. Int J Eating Disord 39:625-632, 2006
10)山田恒:摂食障害の今日的理解と治療Ⅱ—摂食障害に関する治療ガイドライン.精神科治療学 33:1399-1404, 2018
11)マリア・ガンシー著,井口敏之,岡田あゆみ,荻原かおり監訳:家族の力で拒食を乗り越える.星和書店,2019
12)鈴木太,牧野拓也,上村拓:摂食障害の今日的理解と治療Ⅱ—青年期神経性やせ症に対する家族療法・family based treatment(FBT)の実際.精神科治療学 33:1405-1411, 2018
13)宮脇大,原田朋子,山内常生:児童思春期の摂食障害.精神科 28:296-303, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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