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特集 「大人の発達障害」をめぐる最近の動向
文献概要
抄録 大人の発達障害,特に成人になってから自閉スペクトラム症(ASD)を疑われた事例への対応を述べた。ASD診断の告知は治療の一部と考えて,「ASDである/ない」はなく,ASD傾向の強さを伝えるべきである。治療では生活を振り返って治療者とともに対応を考え,また学校や産業医と連携することが重要である。診断のための入院,デイケアやリワークは,事例ごとの特性が軽視されて目標が設定されると,かえって抑うつ感が強まることがある。成人になってからASDやADHDを疑われた事例に対する対応はすべての精神科医が身に付けるべきであり,専門家に紹介するという考え方では他の精神疾患の診療も不十分になりやすい。
参考文献
1)宮岡等,内山登紀夫:大人の発達障害ってそういうことだったのか.医学書院,2013
2)宮岡等,内山登紀夫:大人の発達障害ってそういうことだったのか その後.医学書院,2018
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