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文献詳細

雑誌文献

精神医学62巻7号

2020年07月発行

文献概要

資料

愛媛大学医学部附属病院子どものこころセンター開設後2年間における初診患者の受診動向

著者: 橘侑南12 河邉憲太郎13 城賀本敏宏34 相原香織34 福田光成345 見山朋恵36 越智麻里奈17 伊藤瑠里子13 芳野歩美13 服鳥秀幸13 南立芙美子13 堀内史枝13 上野修一1

所属機関: 1愛媛大学大学院医学系研究科分子・機能領域精神神経科学講座 2四国中央病院心療内科・精神科 3愛媛大学医学部附属病院子どものこころセンター 4愛媛大学大学院医学系研究科分子・機能領域小児科学講座 5東京都立神経病院神経小児科 6一般財団法人創精会松山記念病院 7医療法人佑心會堀江病院

ページ範囲:P.1055 - P.1060

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抄録 愛媛大学医学部附属病院は2015年4月に子どものこころセンターを開設した。本調査では,開設後2年間の初診患者の動向を明らかにすることを目的に,後方視的に調査を行った。初診患者は1〜15歳の292例(男性192例,女性100例)であった。約9割が紹介受診であり,最も多い紹介元は院外の小児科(49.7%)であった。ICD-10に基づいて行った診断では,F8が最も多く(43.6%),F4,F9と続いた。2017年3月現在の転帰は,治療継続中が150例(51.4%)で,その3/4が発達障害圏の患者であった。センター化したことで,初診患者数が増加し,低年齢化した。また,小児科からの紹介が増加し,発達障害圏を中心に患者が集約されていた。しかし,地域と当センターの連携の不十分さなどの課題も明らかとなり,今後のセンターのあり方について模索中である。

参考文献

1)上河邉力,金澤潤一郎,大野哲哉,他:児童精神科受診患者の養育者が抱える育児ストレスについて.精神医学 58:975-982, 2016
2)永井麻里奈,河邉憲太郎,近藤静香,他:愛媛大学医学部附属病院児童青年期精神科診療の現状とその変遷.最新精神医学 19:339-346, 2014
3)堀内史枝,松本光央,中塚哲三,他:児童青年期精神科診療の現状と展望.愛媛医学 23:74-78, 2004
4)武井明,目良和彦,宮崎健祐,他:市立旭川病院精神科における児童思春期患者の実態.精神医学 49:1053-1061, 2007
5)西田寿美:児童精神科医療における地域中核病院の役割と今後の展望 医療型障害児入所施設の立場から.児童青年精神医学とその近接領域 55:436-441, 2014
6)氏家武:発達障害の早期発見・早期介入の観点から.児童青年精神医学とその近接領域 56:550-555, 2015
7)山田慎二:発達障がいの発見・支援に関する連携や役割分担.児童青年精神医学とその近接領域 56:19-25, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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