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書評
—Benjamin J Sadock, Samoon Ahmad, Virginia A Sadock 著 岩脇 淳,仙波純一 監訳—カプラン臨床精神医学ハンドブック第4版—DSM-5®診断基準による診療の手引
著者: 髙橋英彦1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学
ページ範囲:P.1288 - P.1288
文献購入ページに移動 『カプラン臨床精神医学テキスト第3版』という成書があるが,そちらは1,600頁を超える大著で,百科事典的な位置付けである。そのエッセンスをハンドブックにしたのが本書である。
DSM-5に準拠した形で,各論も網羅的でありながら,診断から治療までコンパクトに整理されている。医学部生や研修医だけでなく専門医であっても,通常の診療を振り返るのに使い勝手の良いものになろう。物質関連障害および嗜癖性障害群の章に多くの紙面を割き,また肥満とメタボリックシンドロームといった章や精神薬理学の章でも栄養補助食品も併せて取り上げられており,米国の健康問題・健康意識が,精神医療の現場においても,密接にかかわっていることを垣間見た気がした。また,臨床上のちょっとしたコツを示した「臨床のヒント」というコラム的なコンテンツには,米国ならではの内容も書かれてあり,米国における精神医療で実践されている知識が伝わってくる。これらの米国の問題がすぐに日本に入ってくるとは限らないが,イメージを抱いて問題意識を持っておくことは重要なことであり,大いに参考になるはずである。
DSM-5に準拠した形で,各論も網羅的でありながら,診断から治療までコンパクトに整理されている。医学部生や研修医だけでなく専門医であっても,通常の診療を振り返るのに使い勝手の良いものになろう。物質関連障害および嗜癖性障害群の章に多くの紙面を割き,また肥満とメタボリックシンドロームといった章や精神薬理学の章でも栄養補助食品も併せて取り上げられており,米国の健康問題・健康意識が,精神医療の現場においても,密接にかかわっていることを垣間見た気がした。また,臨床上のちょっとしたコツを示した「臨床のヒント」というコラム的なコンテンツには,米国ならではの内容も書かれてあり,米国における精神医療で実践されている知識が伝わってくる。これらの米国の問題がすぐに日本に入ってくるとは限らないが,イメージを抱いて問題意識を持っておくことは重要なことであり,大いに参考になるはずである。
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