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文献詳細

雑誌文献

精神医学63巻10号

2021年10月発行

文献概要

特集 統合失調症の心理社会的治療—どのように使い分け,効果を最大化するか

WRAP(元気回復行動プラン)を使った精神科訪問看護—統合失調症の事例を用いて

著者: 藤田茂治1

所属機関: 1訪問看護ステーションりすたーと

ページ範囲:P.1515 - P.1523

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抄録 当事者たちによって開発されたリカバリーの促進ツールの1つであるWRAP(Wellness Recovery Action Plan)は,2010年にNational Registry of Evidence-Based Programs and Practices(NREPP)に登録された。このWRAPの根底には「自分で責任を持って生活の主導権を握り,自ら望むような人生を送る」という思想が流れている。本邦においては,全国のWRAPファシリテーターたちの活躍により精神科領域での認知度が年々高まり,病院・地域ケアを問わず,援助場面での活用が広まっている。本稿ではまずWRAP誕生の経緯を概観し,次にWRAPを知る上で欠かせない「5つのキーコンセプト」「元気に役立つ道具箱」という2つの重要概念を紹介する。そしてWRAPに馴染みのない読者に向けて,WRAPを活用した精神科訪問看護の実践について述べる。

参考文献

1)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部:リカバリー(Recovery).  https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/about/recovery.html(2021年9月1日閲覧).
2)増川ねてる,藤田茂治:WRAPを始める!精神科看護師とのWRAP入門—リカバリーのキーコンセプトと元気に役立つ道具箱編.精神看護出版,2016
3)増川ねてる,藤田茂治:WRAPを始める!精神科看護師とのWRAP入門—WRAP(元気回復行動プラン編.精神看護出版,2018
4)横山恵子,藤田茂治,安保寛明:精神科訪問看護のいろは—「よき隣人」から「仲間」へ.精神看護出版,2019
5)矢山壮,藤田茂治,小成祐介:看護学生が知っておきたいリカバリーの概念—その人らしさを支援すること.Nursing Canvas 8:8-39, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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