文献詳細
特集 統合失調症の心理社会的治療—どのように使い分け,効果を最大化するか
統合失調症の心理社会的治療に活かす当事者研究
著者: 向谷地生良1 鈴木和1
所属機関: 1北海道医療大学看護福祉学部臨床福祉学科精神保健福祉学講座
ページ範囲:P.1533 - P.1543
文献概要
当事者研究は,2000年に依存症や精神障害を経験した当事者と共同した自助の取り組みとしてはじまったが,その特徴である身近な困りごとや体験などを素材に「研究する」〔テーマを共有(co-research)し,自由なスタイルで研究(対話)を進め,その成果をみんなで共有し,社会への貢献を目指す〕一連の取り組みは,先の「当事者主導」と「共同創造(co-production)」を実現するアプローチとして注目されている。
その活用においては,①当事者の語りへの積極的な関心と対話的傾聴,②内容が妄想的かどうかの評価や否定をしない態度,③分かりにくい語りや独特の言葉遣いにも,対話を通じて意味と内容を明確にしていく態度,④内容の視覚化にも努めながら対話を深める姿勢が重要になってくる。
参考文献
掲載誌情報