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文献詳細

雑誌文献

精神医学63巻4号

2021年04月発行

文献概要

資料

統合失調症患者の動機付けによる就労支援

著者: 武田隆綱1

所属機関: 1武田メンタルクリニック

ページ範囲:P.537 - P.543

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抄録 発病後社会適応が不良であったが,指向する課題に向けた動機付けにより就労できるようになった統合失調症の3症例を呈示する。症例1は男性で23歳時に発病し,25歳時に再発し,資格取得希望を表明したため,資格取得の準備と動機付けをしたところ就労できて,資格取得後は安定している。症例2は女性で14歳時に発病し,20歳時に片想いを誘因に再発し,結婚希望を表明していたため,結婚の準備と動機付けしたところ就労できた。その後は結婚できて安定している。症例3は女性で26歳時に発病し,29歳時に片想いを誘因に再発し,結婚希望を表明していたため,結婚の準備と動機付けしたところ就労できた。その後は結婚できて安定している。

参考文献

1)武田隆綱:統合失調症患者における片想いの整理.精神科治療学 19:899-904, 2004
2)武田隆綱:指向する課題の達成に向けた援助により改善のみられた精神分裂病の2症例.精神療法 28:192-201, 2002
3)江熊要一:生活臨床概説—その理解のために.精神医学 16;623-628, 1974
4)小川一夫,長谷川憲一,伊勢田堯:生活臨床.井上新平,堀田直樹編:臨床精神医学講座20巻 精神科リハビリテーション・地域精神医療.中山書店,pp192-202, 1999
5)伊勢田堯:生活臨床原典解題と今日的理解(私論).臨床精神医学 38:135-141, 2009
6)Pratt CW, Gill KJ, Barrett NM, et al:Employment. In:Pratt CW, Gill KJ, Barrett NM, et al ed. Psychiatric Rehabilitation, Third edition. Academic Press, London, pp287-314, 2014
7)加藤友之,田島昭,湯浅修一,他:精神分裂病者の社会生活における特性—精神分裂病の生活臨床 第1報.精神経誌 68:1076-1088, 1966
8)昼田源四郎:改訂増補 統合失調症患者の行動特性—その支援とICF.金剛出版,2007
9)Huber G:The concept of basic deficits in schizophrenia and its significance for theory and treatment. Nervenarzt 54:23-32, 1983
10)吉松和哉:精神分裂病の発病・再発状況—“適応”の観点から.吉松和哉編:分裂病の精神病理11.東京大学出版会,pp1-28, 1982

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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