文献詳細
増大号特集 精神科クリニカル・パール—先達に学ぶ
第4章 精神療法の先達
文献概要
clinical pearl
・症状精神医学診断(DSM-5,ICD-10)は,時間的に現在の症状や行動障害を中心にした横軸の診断法であり,力動的精神医学診断は,個人の固有の生活歴を中心に診断する縦軸の診断法であるが,両者を駆使することで立体的で重厚な見立てができる
・成人の環境因の強い各種パーソナリティ障害の症例の,個人に対する力動的(精神分析的)精神療法は,治療者の基礎訓練としても重要なものである
・症状精神医学診断(DSM-5,ICD-10)は,時間的に現在の症状や行動障害を中心にした横軸の診断法であり,力動的精神医学診断は,個人の固有の生活歴を中心に診断する縦軸の診断法であるが,両者を駆使することで立体的で重厚な見立てができる
・成人の環境因の強い各種パーソナリティ障害の症例の,個人に対する力動的(精神分析的)精神療法は,治療者の基礎訓練としても重要なものである
参考文献
1)American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth ed.(DSM-5). American Psychiatric Publishing, Washington D.C., 2013(日本精神神経学会日本語版用語監修,髙橋三郎,大野裕監訳:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014)
2)World Health Organization:The ICD-10 Classification of Mental and Behavioural Disorders:Clinical Descriptions and Diagnostic Guidelines. WHO, Geneva, 1992(融道男,中根允文,小見山実他監訳:ICD-10精神および行動の障害—臨床記述と診断ガイドライン新訂版.医学書院,2005)
3)Gabbard GO:Psychodynamic Psychiatry in Clinical Practice—The DSM-5 Edition. American Psychiatric Publishing, Washington D.C., 2014(奧寺崇,権成鉉,白波瀬丈一郎他監訳:精神力動的精神医学第5版—その臨床実践.岩崎学術出版社,2019)
4)衣笠隆幸:精神分析と精神科臨床—精神分析的(力動的)精神医学概論.精神分析的精神医学 7:1-19, 2015
5)衣笠隆幸:重ね着症候群とスキゾイドパーソナリティ—重ね着症候群の概念と診断について.精神経誌 109:36-44, 2007
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