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文献詳細

雑誌文献

精神医学63巻5号

2021年05月発行

文献概要

増大号特集 精神科クリニカル・パール—先達に学ぶ 第5章 統合失調症診療の先達

統合失調症の人たちから学んだこと

著者: 池淵恵美1

所属機関: 1帝京平成大学大学院臨床心理学研究科

ページ範囲:P.709 - P.715

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clinical pearl
・未来を夢見る青年期に統合失調症になった人の苦しみや挫折感を考えるとき,患者さんの生き方そのものがリスペクトの対象となる。
・一緒に苦しいときを潜り抜ける中で見えてくる患者さんの美点は,その後の治療を支えるものとなる。
・治療の見通しに絶望感を感じるときは,必ず患者さんも同じ絶望を抱えている。
・治療者があきらめてしまったら,そこからは治療の発展が止まってしまう。
・ずいぶんよくなったと安心していると,足元をすくわれるように再発することがある。今までの遅れを取り戻そうと冒険する(そっと薬をやめてしまうなど)ときが多い。
・患者さんも治療者も,支えあえる仲間が必要である。そしてワンチームで回復に取り組んでいく上で,チームメンバーは対等であり,患者さんやご家族の視点を重視するとうまくいく。
・患者さんと家族にとって,統合失調症という病名がネガティブな価値観を含んでおり,将来への絶望感をもたらすものであるとしたら,だれもそれを引き受けたいとは思わないだろう。

参考文献

1)池淵恵美:こころの回復を支える精神障害リハビリテーション.医学書院,2019
2)池淵恵美:統合失調症は治りますか.日本評論社,2020
3)佐藤研一:社会参加に困難のある統合失調症の人の後ろ向き実態調査—デイケア利用開始後20年以上にわたる経過.精神精神医学 25:301-309, 2020
4)池淵恵美:モデルプログラムとそれを支えるスタッフ研修の提案.精神経誌 114:42-48, 2012
5)池淵恵美:統合失調症の「病識」をどのように治療に生かすか.精神経誌 119:918-925, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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