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文献詳細

雑誌文献

精神医学63巻5号

2021年05月発行

文献概要

増大号特集 精神科クリニカル・パール—先達に学ぶ 第9章 老年精神科診療の先達

超高齢者の認知症診断—認知症? 加齢相応?

著者: 三山𠮷夫1

所属機関: 1大悟病院認知症疾患医療センター

ページ範囲:P.792 - P.797

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clinical pearl
・超高齢者の認知症様状態は,臨床・脳病理学的にも病気か加齢相応かの判断が難しい。病的か加齢相応かを常に考えながら診ることが重要である。
・超高齢者の記憶障害による生活機能低下で安易に認知症と診断しないことが重要である。
・日常の診療で使われている認知症の診断基準は,超高齢者ではトリアージである。長期間付き合って診断を確かめることが重要である。
・超高齢者の認知症は,生物・社会・心理的に総合的に診ることが,より重要である。
・超高齢者の幻覚・妄想状態は,作話型,空想型のパターンが多い。

参考文献

1)日本神経学会監修,「認知症疾患ガイドライン」作成委員会編集:認知症疾患診療ガイドライン.医学書院,2017
2)浅井昌弘,保崎秀夫,中村禎夫,他:老年期の幻覚・妄想状態.臨床精神医学 11:581-587, 1982
3)朝永正徳,吉村正博:長寿者の脳—100歳老人脳の神経病理.日本老年医学会雑誌 22:530-535, 1985
4)Nelson PT, Alafuroff I, BIgio EH, et al:Correlation of alzheimer disease neuropathologic changes with cognitive status:a review of the literature. J Neuropathol Exp Neurolo 71:362-381, 2012
5)高尾昌樹,村上和之,広瀬信義,他:超高齢期に発症する認知症と神経病理学.老年精神医学雑誌 30:249-254, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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