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特集 強迫についてあらためて考える
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著者: 金生由紀子1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院こころの発達診療部
ページ範囲:P.889 - P.889
DSM-5では,強迫で特徴付けられる一群の疾患が不安症群とは別に,強迫症(obsessive-compulsive disorder:OCD)および関連症群とまとめられた。DSM-5を作成する過程では,自閉スペクトラム症をはじめとする神経発達症,衝動制御障害や嗜癖性障害までを視野に入れて強迫スペクトラム障害が提案されていたが,最終的にはOCDを軸にかなり絞り込まれたものである。とはいえ,DSM-5のOCDでは自我違和性や不合理性の認識が必ずしも必要ではなくなっており,かつての強迫神経症より広い範囲を取り込んでいる。
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