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文献詳細

雑誌文献

精神医学63巻8号

2021年08月発行

特集 認知症診療における精神科医の役割を再考する

認知症疾患医療センターにおける認知症診療

著者: 内海久美子1

所属機関: 1砂川市立病院認知症疾患医療センター

ページ範囲:P.1213 - P.1221

文献概要

抄録 2008年度から認知症疾患医療センターが設置され,2020年12月末時点で全国に477か所設置されている。センターには,基幹型・地域型・連携型の3類型があり,その役割は,①認知症疾患に関する鑑別診断とその初期対応,②認知症の行動・心理症状と身体合併症の急性期治療に関する対応,③専門医療相談,診断後の相談・支援,④地域保健医療・介護関係者への研修などを行うことである。すべてのセンターの87.7%(401か所)で精神科医が認知症診療を担っており,いかにセンターにおける精神科医の役割が大きいかを示している。
 センターの役割のうち本人家族への診断後支援や医療・介護の連携などは,多職種が揃い,これまでも精神疾患患者の地域生活を支えてきた経験を持つ精神科医が中心になってこそでき得る診療体制である。
 本稿では,全国のセンターの活動状況およびセンターとしての当院の取り組みを概観した。

参考文献

1)粟田主一:令和元年度認知症疾患医療センター運営事業実績報告書.令和2年度老人保健健康増進等事業「認知症疾患医療センターの事業評価および質の管理に関する調査研究事業」報告書.91-218, 2020
2)Awata S, Edahiro A, Arai T, et al:Prevalence and subtype distribution of early-onset dementia in Japan. Psychogeriatrics 20:817-823, 2020
3)粟田主一:認知症疾患医療センター機能評価—外部評価パイロット調査.平成28年度老人保健健康増進等事業「認知症疾患医療センターの機能評価に関する調査研究事業」報告書.71-116, 2017
4)内海久美子,柳渡彩香:地方における認知症疾患医療センターの活動と課題—北海道認知症疾患医療センターとしての砂川市立病院の取り組み.老年精神医学 30:1335-1343, 2019
5)大辻誠司,内海久美子,福田智子:全国認知症疾患医療センターの現状と課題について—アンケート調査報告.老年精神医学雑誌 27:554-560, 2016
6)粟田主一:認知症疾患医療センター運営事業実績調査.平成28年度老人保健健康増進等事業「認知症疾患医療センターの機能評価に関する調査研究事業」報告書.11-70, 2017
7)柳渡彩香,内海久美子,福田智子,他:軽度認知障害(MCI)および認知症の診断告知直後における本人・家族の心理的変化と満足度調査.老年精神医学 31:1211-1224, 2020
8)内海久美子:地域からの挑戦 北海道・中空知地域における認知症ネットワークの実践.認知症ケア最前線 55:21-24, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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