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文献詳細

雑誌文献

精神医学63巻9号

2021年09月発行

文献概要

特集 産業精神保健の現状と課題

ストレスチェック制度と産業精神保健—これまでを振り返り,今後の課題について考える

著者: 小田切優子1

所属機関: 1東京医科大学公衆衛生学分野

ページ範囲:P.1291 - P.1299

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抄録 ストレスチェック制度は一次予防を目的としたメンタルヘルス対策である。制度の施行から約6年が経過し,毎年多くの労働者が受検し制度が定着してきた一方,メンタルヘルス対策としての効果を実感しにくいという声も耳にする。本稿ではストレスチェック制度の各ステップを振り返り,今後の課題について考えたい。各種ツール類を参考に,事業場のメンバーが積極的に,そして主体的に職場環境に取り組み,メンタルヘルス対策の一次予防が進むことが期待されている。

参考文献

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19)岩田昇:多重レベルの労働現場の新規測定項目に対する項目反応理論解析およびCATシステム化.令和2年度厚生労働科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業「ストレスチェックの集団分析結果に基づく職場環境改善の促進を目的とした調査項目及びその活用方法論の開発」(190501-01研究代表者:井上彰臣).pp29-45, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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