精神医学63巻9号

2021年09月発行

特集 産業精神保健の現状と課題

COVID-19拡大下における医療機関での復職支援の現状と課題

著者： 五十嵐良雄¹

所属機関： ¹一般社団法人東京リワーク研究所

ページ範囲：P.1341 - P.1353

抄録　新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う復職支援の現状と課題に関して論述した。精神疾患により休職した労働者への復職支援プログラム(リワークプログラム)に関して，これまでの発展経過を概括的に述べるとともに，感染拡大下での実施状況などに関して日本うつ病リワーク協会の実施した調査結果も示した。また，臨床場面での経験も含めて考察し，今後のリワークプログラムへの展望についても触れた。

参考文献

1)秋山剛，岡崎渉，大塚太，他：総合病院における職場復帰援助プログラム．現代のエスプリ別冊，至文堂，pp208-217，2004

2)五十嵐良雄：復職支援を通じての気分障害へのリハビリテーションとその位置付け．リハビリテーション研究 143：13-18, 2010

3)加賀信寛：地域障害者職業センターのリワーク支援．精神医学 55：777-784, 2013

4)笠原嘉：軽症うつ病—「ゆううつ」の精神病理．講談社現代新書，1996

5)五十嵐良雄：職場復帰から見た難治性うつ病とその治療上での工夫．精神療法 36：627-632, 2010

6)Arima H, Akiyama T, Moura PA, et al：Resilience building for mood disorders：theoretical introduction and the achievements of the Re-Work program in Japan. Asian J Psychiatry 58：102580, 2021

7)Ohki Y, Igarashi Y, Yamauchi K, et al：Re-work Program in Japan-overview and outcome of the program. Front Psychiatry 11：616223, 2021

8)五十嵐良雄，大木洋子，宮島大，他：労災認定された長期療養者を対象とした企業と共同した段階的な治療プログラムの提言，令和2年度厚生労働省労災疾病臨床研究「仕事を原因とした精神疾患の発症により労災認定を受けた長期療養者に対する治療と並行して行う効果的な社会復帰支援に関する研究(研究代表者，桂川修一)」報告書，pp185-196, 2021