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雑誌詳細

文献概要

特集 ひきこもりの理解と支援

家族支援(若者を中心に)

著者: 山根俊恵12

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科 2NPO法人ふらっとコミュニティ

ページ範囲:P.1501 - P.1507

抄録 ひきこもり者は,いじめ,進学の失敗,職場の人間関係など何らかの要因によって「社会」や「人」と一時的に距離をとった,あるいはとらざるを得なかった人たちである。生きづらさゆえに心を閉ざして次第に動けなくなる。あるいは感情のコントロールができなくなると身近な親に暴言・暴力をふるい,コミュニケーションがとれなくなる。しかし,適切な家族支援によって家族関係は回復し,笑顔を取り戻すことができる。伴走型ひきこもり支援システム「山根モデル」は,生きづらさを理解し,ICAシートを使って問題となるコミュニケーション場面を分析する。悪循環を好循環に変えるコミュニケーションによって心の距離を縮めていく方法である。

参考文献

1)厚生労働省(研究代表者:齊藤万比古):ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン:https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000807675[2022年8月24日閲覧]
2)山口県精神保健福祉センターホームページ:https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/[2022年8月24日閲覧]
3)山根俊恵:ひきこもりを理解する—生きづらさ苦しさを知る.ケアマネジャー 23(10):64-67, 2021
4)山根俊恵:いま求められるひきこもり支援第8回,自閉スペクトラム症とひきこもり—見過ごされた発達凸凹に原因の場合も.日経グローカル 412:40-41, 2021
5)山根俊恵:「山根モデル」によるひきこもり支援の効果—社会的距離症候群(Social Distancing Syndrome)というとらえ方.精神科看護 48(12):41-49, 2021
6)山根俊恵:いま求められるひきこもり支援第11回,段階別ぶつ切り支援に不安—家族重視の伴走型を実践.日経グローカル 418:2-3, 2021
7)山根俊恵:いま求められるひきこもり支援第16回,命の危険さえ感じる家庭内暴力にもひきこもり支援センターの扉は開かず.日経グローカル 428:2-3, 2022
8)山根俊恵:親も子も楽になる ひきこもり“心の距離”を縮めるコミュニケーションの方法.中央法規,2022
9)山根俊恵:第2回難しい場面・状況で支援者として利用者をどう理解するか.ケアマネジャー 24(5):60-63, 2022
10)山根俊恵:いま求められるひきこもり支援第4回,対話で相手を理解し「心の扉」を開ける.日経グローカル 404:38-39, 2021
11)山根俊恵:いま求められるひきこもり支援第3回,ひきこもりの長期化による家庭内暴力と支援のあり方.日経グローカル 402:2-3, 2020
12)山根俊恵:いま求められるひきこもり支援第5回,ひきこもり者が求める「居場所」とは.日経グローカル 406:40-41, 2021
13)山根俊恵:いま求められるひきこもり支援第13回,「ひきこもり」の言葉が生む誤解—新用語「社会的距離症候群」を提案.日経グローカル 422:52-53, 2021

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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