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文献詳細

雑誌文献

精神医学64巻11号

2022年11月発行

文献概要

特集 ひきこもりの理解と支援

中高年代のひきこもりの家族支援

著者: 境泉洋1

所属機関: 1宮崎大学教育学部

ページ範囲:P.1509 - P.1514

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抄録 中高年代のひきこもりの家族支援においては,家庭を孤立させないことが最も重要となる。ひきこもり状態にある人の家庭がなぜ孤立するのか?,孤立しているのになぜ支援を求めないのか?,この疑問に対する理解を深めることが,ひきこもり支援において重要となる。本稿では,まず今日のひきこもりの捉え方,ひきこもり支援の目的について解説を加えている。その上で,高年齢化した事例を孤立させないためのポイントとともに,高年齢化した事例の支援の目標について解説している。最後に,ひきこもりとは相容れないと思われがちな就労が,ひきこもりからの新しい生き方の選択肢の1つになり得るかについて農福連携の観点から展望を述べている。

参考文献

1)厚生労働省(研究代表者:齊藤万比古):ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン.厚生労働省,2010  https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000807675.pdf[2022年9月30日閲覧]
2)東京都ひきこもりに係る支援協議会:「ひきこもりに係る支援の充実に向けて」提言.東京都,2021  https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/seikatsu/hikikomori/kyougikai/R3teigen.files/teigen.pdf[2022年9月30日閲覧]
3)Kato TA, Kanba S, Teo AR:Defining pathological social withdrawal:proposed diagnostic criteria for hikikomori. World Psychiatry, 19:116-117, 2020
4)伊藤順一郎,吉田光爾,小林清香,他:「社会的ひきこもり」に関する相談・援助状況実態調査報告.地域精神保健活動における介入のあり方に関する研究 (主任研究者:伊藤順一郎):10代・20代を中心とした「ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動のガイドライン—精神保健福祉センター・保健所・市町村でどのように対応するか・援助するか,pp114-140, 2003 https://www.mhlw.go.jp/topics/2003/07/tp0728-1.html[2022年10月1日閲覧]
5)境泉洋:ひきこもりの定義.KHJ全国ひきこもり家族会連合会「ひきこもりの理解促進と支援力向上のための研修会」研修抄録・報告書,pp5-6, 2022
6)内閣府政策統括官(共生社会政策担当):若者の生活に関する調査報告書.2016  https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/h27/pdf-index. html[2022年9月30日閲覧]
7)内閣府政策統括官(共生社会政策担当):生活状況に関する調査報告書.2019  https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/life/h30/pdf-index.html[2022年9月30日閲覧]
8)江戸川区:江戸川区(2022)令和3年度江戸川区ひきこもり実態調査の結果報告書.  https://www.city.edogawa.tokyo.jp/documents/33977/r3_saisyuhikikomoricyousakekkahoukokusyo.pdf[2022年9月30日閲覧]
9)村井英一:ファイナンシャル支援.臨床心理学20:738-742,2020
10)境泉洋(編著):CRAFTひきこもりの家族支援ワークブック—共に生きるために家族ができること改訂第2版.金剛出版,2021
11)農福連携推進会議:農福連携等推進ビジョン.首相官邸,2019  https://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/dai25/siryou4-2.pdf[2022年9月30日閲覧]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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