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文献概要
特集 精神科におけるオンライン診療
特集にあたって
著者: 岸本泰士郎1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座
ページ範囲:P.125 - P.125
文献購入ページに移動 オンライン診療(telemedicine)とは,一般に通信技術を活用し離れた2地点間で行う健康増進,医療,介護に資する行為すべてを指す。精神科医療においては,遠隔での診断・重症度評価・治療効果が対面評価と同等であることがすでに多く報告されており,海外では日本よりも早くからオンライン診療が活用されていたが,2019年末まではその普及は限定的であった。2020年から本格化した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは世界中で猛威を振るい,多くの人々のメンタルヘルスにも悪影響を与えるとともに,生活様式にも大きな影響をもたらした。このような状況の中で,感染対策の1つとしてオンライン診療が注目されるようになり,パンデミック下において医療を継続するための手段として世界中で利用が拡大している。WHOが130か国を対象に行った調査では,世界中で精神科医療の需要が増加している一方で,93%の国では医療やサービスの中断が生じており,その解決のために70%の国で遠隔医療の導入がされていたことが報告されている。
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